死刑反対派の論客の講演をまとめたもの。
死刑囚がいかに残酷な死を社会的制裁として遂げるかに多くのページが割かれている。
が、じゃあ被害者が私的に殺されたことはどうかというと、棚上げなんだよな。
そもそも社会は平穏に日々を暮らし、勤勉に労働するひとたちによって支えられてる。
氏は社会的底辺に居るひとたちや、死刑囚などの極端な例を挙げるが、社会が安定していないと社会的底辺への救済もないわけで、更にそれを無法に崩す者にはしかるべき刑罰は必要だと思う。
例の光市殺人事件にも言及している。彼の許せないところは、その行為のみならず、その後の主張内容の無茶苦茶さにある。
某ネコ型ロボもそうだか、山田風太郎氏の著作の引用に関しては、誤読というか、読んでない(または理解していない)のが丸わかり。これは著述業に対する重大な問題だと思うのだが。
読んだヒトはわかるが、行為で復活できるのは女性を媒介とした「自分」なんだよな。
そして例によって「蘇った者」は、ろくでもないことになっているのだが。
ちなみに映画版は、さっぱり出てこない。
そのへんはやっぱり棚上げで(それ以前の講演かもしれないが)、被害者遺族の活動についても一切言及なし。
で、愛を語られてもなあ。アナーキズムへの傾倒が源流にあるようだが、向きが違うとおもうな。
- 2009/11/07(土) 15:57:40|
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角川ホラー文庫シリーズ。大竹しのぶの怪演で有名な「黒い家」のひと。
が念頭にあったので、あんまり期待してなかったのだがさにあらず。
一級の科学系ホラーとして成立している。
やっぱ森田芳光はバイアスが強すぎるなあ。宮部みゆき原作もそうだけど。
ストーリーは、死恐怖症の小説家がアマゾンの生態系調査に同行することから始まる。
メールのやりとりをしていた恋人(終末医療に関わる医師)は、戻ってきた彼の心的変貌に気が付く。
果たしてアマゾンで何が起こったのか。彼の聞く「天使の囀り(さえずり)」とは。
そして変貌は彼のみならず、アマゾン調査隊メンバーに起こっていた。
かなりのボリュームがあるが、さくさく読める。
二次元萌えの青年の描写はなかなか鋭いところをついているかも。
ホラー色が強く更に現行法制度(厚労省とかの)への批判が根底にあるので、正確な映像化は無理かもなあ。
昔は宇宙から帰ってきたらなんか連れて来ちゃった、というプロットが定番だったのだが、それをアマゾンに置き換えてあるのが興味深いね。
で、連れてきてしまったものとは・・・
以下ネタバレ
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- 2009/11/07(土) 15:42:23|
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ジャック・ケッチャム大先生作品の映画化ですよ。
しかし「スティーブン・キングも大絶賛」が一番大きな宣伝文句なのはなあ。
内容は、ほぼ原作にそってるけど、一部のテクニックを除いては凡庸かな。
あ、でも初発シーンはビックリですよ。
アメリカの田舎イカレ主人公レイ・パイの無軌道っぷりが眼目なんだけど、中盤までは「大丈夫か」とおもう弛みっぷり。原作をなぞるのにいっぱいいっぱいって感じ。
が、終盤の展開はイカス。
ケッチャム独特の、乾いた残酷描写が見事に再現できていると思う。
しかし、万人にお勧めできる作品ではないなあ。
原作に忠実が名作に限らん、の名言通りかな。もっとアレンジしてもよかったのかも。
(そうしたらそうしたで、また怒られるのだろうが)
- 2009/11/05(木) 22:22:21|
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梅図先生の大傑作「赤ん坊少女」の映画化ですよ。
あの恐怖と悲しみに満ちた世界を再現できるのかー、と思ったのだが・・・
パパが野口五郎。ママが浅野温子と豪華キャスト。ママは非常に重要な役どころだが文句なし。
が、タマミちゃんの描き方がなー。
モノとしては原作をの再現に腐心してるし、原作にはない「絵本」は巧いけどね。
どうしても月をバックに大ジャンプでとびかかるタマミちゃんに圧倒されてしまうな。
以下、ネタバレ
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- 2009/11/03(火) 08:56:12|
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平野啓一郎氏の短編集。
氏が、いかに「世界観の構築」に注力しして、ともすると所謂「文学」の枠を越えてしまうことを示す作品群が並ぶ。
なので、前述の「日触」とは違う読みにくさが有る。
というか、読めないw
が、意味不明ということではないのが技術なんだけど。
本当にやりたいのは「文章による世界構築」であることがよくわかる。
とはいえ、そういう先鋭的な著述技術を駆使した内容もあれば、わりと普通に読めるのもあります。
順番として(それすら世界構築の一環なのだろうが)、先鋭的なのが先に来ているので、立ち読みとかするとビックリするでしょうね。
そのあと、一見私小説風だったりするのもあるが、
「きっとこれも精緻に構成された虚構世界に違いない」
と思ってしまうところが恐らくまさに思うつぼ。なんだろうなあ。
で最後が非常にオーソドックスなスタイルの短編。
なんだか、音楽のアレンジアルバムとかを想起させる構成です。
- 2009/11/03(火) 08:46:23|
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